柴犬に多くみられる病気

柴犬に多くみられる病気

柴犬の病気

柴犬の病気

柴犬は一般に他の犬よりも丈夫で清潔好きといわれているので、それほど心配する必要はないのですが、そんな柴犬にもかかりやすい病気があるので、最低限知っておきましょう。

ここでは、特に柴犬に多く見られる病気を紹介します。もちろんこれらの病気以外にも、いつもと違う様子のときは注意してあげる必要があります。それには、普段から愛犬の様子をよく観察してあげることが大切です。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、カビ、ダニ、花粉、ハウスダウスト、時には食べ物など、さまざまな原因によって起こります。症状としては体を引っ掻いたり、顔をこするなどがあります。あまりにかゆがるようなら、動物病院で診察を受ける必要があります。

特徴的な症状

体を掻く、顔や目をこする。皮膚が赤く変色する、など。

対処と予防法

動物病院における診察。予防としては、最低2ヶ月に一回はシャンプーをして、清潔に保つ。

食餌アレルギー

市販のペットフードに含まれるアレルギー物質などが原因で起こる病気。他のアレルギーと一緒に起こることがあるので、食餌アレルギーという診断を確定させるため、動物病院で診察をうけ、獣医師の指示に従って食事を別のものに切り替えると治ります。

特徴

体を掻く、時に下痢や顔の腫れとなって表れることも。

対処と予防法

獣医師による診断を受け、アレルギーの原因となっている食物の変更。

僧帽弁閉鎖不全(そうほうべんへいさふぜん)

7歳ごろを過ぎた老犬に見られやすい心臓の病気です。心臓の中で血液の逆流を防ぐために開閉している弁が変形したり、つなぎの部分が切れてしまうことにより機能しなくなります。そのため、血液の逆流が激しくなり、全身に充分な血液が送れなくなるので、息切れを起こしたりします。完治は望めませんが、早期に発見し、薬を投与することで進行を遅らせることはできます。

特徴

息切れ、咳や呼吸困難などが起こる。初期症状がないため、ある程度進行するまで気が付かない場合がある。

対処と予防法

獣医師による診断を受け、アレルギーの原因となっている食物の変更。薬を投与しながら定期診断を受ける。運動を控えて、塩分を減らす。

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

膝蓋骨の脱臼は、事故や高所からの落下などによって起こる場合と先天的に起こりやすい子がいます。また、大型犬よりも小型犬の方がかかりやすいです。症状としては、一本の足を上げて、3本足で歩くようになります。放っておくと慢性的に脱臼状態になりますので、気が付いたら医師の診断を受けましょう。

特徴的な症状

脱臼した足を引きずるようにして歩く。内股で歩く。

対処と予防法

脱臼の疑いがあるなら、病院で診察を。予防として滑りやすい床には敷物を敷くなど。

股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)

体と後ろ足をつなぐ股関節に緩みと変形が生じるため痛みによって犬が自分の体重を支えきれなくなり歩けなくなってしまいます。後天的に起こることもありますが、ほとんどが遺伝によるものです。

走るとき後ろ足をそろえてうさぎ跳びのように走る、歩くときにおしりが大きく左右にふれるような歩き方をしたり、立ったり座ったりの動作に異常が見られます。たとえ発症したとしても、病院で適切な処置を受ければ、通常の生活を送ることができます。

特徴

歩くときや走るとき、立ったり座ったりの動作の異常、運動を嫌がるなど。

対処と予防法

運動を控える、薬の投与、手術。特にこれといった予防法はない。

白内障

目が白くにごり、見えにくくなる病気で、老犬に多く見られます。症状が進行すると目が悪くなり物にぶつかったりします。治療法としては、進行を遅らせるための点眼薬がありますが、完治は望めません。

特徴

目の黒い部分が白っぽくにごって見える。

対処と予防法

獣医師による早期診断と薬の投与

角膜炎

涙が止まらない、目やにがたまる、常に充血している、頻繁に目をこするなどの症状が見られます。このような場合、埃やさかさまつげなど目に入った異物を取ろうとして、犬が自ら目をこすったために角膜にキズをつけたり、そこに入った雑菌によって炎症を起こしていたりすることが考えられます。放置しておくと手術が必要になる場合もあります。おかしいと感じたら早めに診察を受けましょう。

特徴的な症状

涙が止まらない、目やにがたまる、目をこするなど。

対処と予防法

獣医師による早期診断と薬の投与

外耳炎

汚れや耳ダニの寄生、耳の掃除で誤って傷をつけてしまったことなどが原因で起こります。耳を掃除しているにもかかわらず、耳の後ろをかゆがったり、すぐに黒っぽい耳垢が出てきたり、耳の皮膚がただれているときはこの症状の疑いがあります。異常がある場合は獣医師の診察を受けましょう。

特徴

すぐに耳垢がたまる。耳の皮膚がただれている、など。

対処と予防法

耳を傷つけないように注意して、こまめな耳の掃除と乾燥を心がける。

他にもこんな症状が出たら要注意

食欲がない

食欲不振は、さまざまな病気で最も表れやすい症状です。どの病気の症状とは特定しにくいのですが、まず動物病院に連れて行きましょう。

臭がある

健康な犬でも、8歳ぐらいを越して老犬になるにつれて、口臭はどうしても強くなります。若犬で口臭が強い場合には、歯肉炎が疑われます。

お尻をこする

肛門の様子を観察します。肛門の周囲が腫れている場合には、肛門膿炎や肛門の周りの皮膚炎の可能性があります。

歩き方がおかしい

関節炎や脱臼などの場合、爪の伸びすぎのほかに、足の裏をケガしていること、とげがささっていることもあるので、やさしく観察してあげます。

嘔吐

犬は病気でなくとも吐くことがあるので、食欲不振や下痢などの症状がなければ心配はいりませんが、激しく吐いたり、繰り返し吐く場合には、食中毒や胃腸炎、異物を飲み込んだことが考えられます。

水を大量に飲む

水も大量に飲んでいる場合には、糖尿病、腎臓病など内臓のさまざまな病気が疑われます。

咳をする

気管支炎、肺炎、ジステンパー、ケンネルコフなどが疑われます。すぐに動物病院につれていきましょう。

毛が抜ける

一部分が、不規則に抜ける場合には、ノミアレルギーやダニによる皮膚の病気が考えられます。体の左右対称に抜ける場合には、ホルモンの異常が考えられます。

元気がない

元気がない場合には、あらゆる病気の初期症状の可能性がありますが、飼い主がかまってあげないために退屈していることもありますので、散歩や運動をかかさないようにしましょう。

下痢・便秘

下痢は、食中毒、食べすぎ、胃腸炎などさまざまな病気の症状として表れます。下痢だけでなく、便の色に異常があったり、粘りのある便の場合には、寄生虫の感染も考えられます。便秘も場合によっては、腫瘍を疑ってみましょう。

尿の異常

尿に血が混ざったり、茶色をしていたら、腎臓病、膀胱炎、尿道結石、がんの疑いがあります。

鼻が乾く

健康な犬の鼻は適度に湿っていますが、寝ているときや寝起きは乾いています。起きているのに鼻が乾いていたら、様子をよく見ましょう。

体をこする

ノミやダニが寄生すると、かゆみを伴って体をこすります。まめなブラッシングで、毛や皮膚の異常をチェックしましょう。

よだれが出る

歯や歯茎の具合が悪いとよだれが多く出ます。歯肉炎の場合が疑われるので、口臭が強くないか、歯茎の色などをチェックします。

目やに

風邪を引いたり、眼に異物が入っていないか、飼い主が良く見て確認します。ハウスや周囲が清潔に保たれているかもチェックしましょう。