犬の社会化とは?
犬が人間社会に順応することを犬の社会化と言います。 犬は人間同様に生涯を通じて社会化を養っていきますが、特に吸収しやすいのが生後3~14週と言われており、この期間を社会化期と呼びます。 特に柴犬などの日本犬は洋犬種に比べて身体的・肉体的にも発達が圧倒的に早く、社会化の時期も過ぎるのが早いです。そのため、柴犬を迎い入れてからはすぐにでも社会化を養わせていく必要があります。
愛犬の社会化を養わせる
犬を引き取れるには生後56日以降と決められているので、ブリーダー等は引渡すまでに親犬や兄弟犬と交流させることで初めの犬同士のコミュニケーションを学ばせています。
愛犬を迎い入れてからは、人との触れ合いや人間社会の様々なモノや音を体験させることが重要です。生後3か月までずっと部屋や家に閉じ込めていると、成犬になってから散歩嫌いや人嫌いになりやすくなります。ワクチン接種を早めに済ませ、子犬の散歩デビューを3か月までに済ませておくことで、愛犬の社会化を養わせることができます。
また、ワクチンが遅れてしまって散歩デビューが遅れてしまい、社会化期までに散歩ができない場合は、子犬を抱っこして散歩してあげることでも十分に社会化は身につきます。社会化期に様々な体験をさせることは、家族の一員になる犬にとってそれほどまでに重要なのです。ただし、注意が必要で、ワクチンが終わるまでは、他の動物との接触は避け、土や草むらを歩かせることだけは避けてください。
ワクチンの時期と社会化期は同時期ですが、工夫することで犬の社会性を養わせることができますので、積極的に体験や触れ合わせていきましょう。
ワクチン2回目接種までの社会化
- 1.家の様々なモノや音に慣れさせる
- 音の出る洗濯機や掃除機、車など日常で使うものや今後愛犬に対しても使っていくであろうブラシや爪切り、ドライヤーなどに慣れさせましょう。
小さいうちから慣れさせることで、成犬時のトラブル防止にもつながります。 - 2.いろんな人に触ってもらう
- 社会化期には家族以外の人にも積極的に触れ合わせてください。そうすることで、散歩中人に向かって吠えたりすることもなく、トラブルが減ります。ただし、幼い時は疲れてしまいやすいので、愛犬の様子を確認しながら慣れさせましょう。
- 3.外の世界を体験させる
- ワクチンが終わるまでは子犬の免疫力が弱いので、獣医とも相談が必要ですが、幼いうちから外を見ることはとても大切です。2回目の接種が終わるまでは抱っこやペットカートなどでの散歩で車や電車の音、人混みなど経験させることでスムーズにお散歩デビューができます。
- 4.お散歩デビュー後には他の犬とたくさん触れ合わせよう
- ドッグランやパピー用のクラス、近所の公園などで他の犬と積極的に触れ合わせてあげて下さい。
じゃれ合ったりする中で、犬同士の挨拶であったり、何をしたら怒られるのか先輩犬から教わったりします。犬だけの社会も経験させることも重要です。
社会化期に犬社会を経験できないと犬との遊び方がわからず、他の犬を怖がってしまう傾向にありますので、積極的に交流の場に出向いてください。
犬の社会化ができていないと起こる問題行動
- 他の犬に対する問題行動
- 社会化ができていないと他の犬に対して、威嚇であったり、吠えるや噛むなどの問題行動を起こします。これは嫌いではなく、恐怖がゆえに起こる問題行動です。社会化期に他の犬と積極的に触れ合わせていかないと、この恐怖心は消えることはなく、成犬になってから直ることはほとんどありません。
- 家族以外に対する問題行動
- 他の犬同様に人に対しても、社会化ができていないと恐怖心のあまり、噛むなどの問題行動を起こします。犬の噛みつき事故の件数で圧倒的に多いのが柴犬と言われているほどです。柴犬の社会化期の早さを知らない方が多いのが原因の一つで、幼いうちに不特定多数の人に可愛がってもらうことがとても重要です。
犬が持つ恐怖心は消えることはありませんし、犬にもストレスが溜まりますので社会化はとても必要なのです。
番外編
番犬に育てるから人に合わせる必要はないという方も、犬には吠えるたびにストレスが溜まっているという事を理解して育ててください。また、ショードッグに育てたい方は、人への社会化はする必要がありますが、犬と遊ばせることは必要ありません。というのも、展覧会で他の犬に興奮してしまうため、犬との触れ合いをなるべく少なくしている方も多くいます。しかし、これらは通常とは異なるという事を理解して、どのような方向性で育てていきたいかを予め考え、愛犬の社会化を養ってください。
おわりに
これまで犬の社会期の重要性について語っていきましたが、この時期は犬の一生を左右する大事な時期です。社会化ができていないと、他の犬や人に対しての問題行動を起こしてしまい、外に連れていけなくなってしまい、お互いに不幸な生活を送ることになってしまいます。 飼い主として愛犬をどう成長させていくのかが問われる時期でもありますので、責任をもって愛犬の社会性を養っていきましょう。