良い柴犬ブリーダーの見分け方

 

信頼できるブリーダーの見分け方:良い柴犬ブリーダーを選ぶポイント

良心的なブリーダーは、犬の繁殖だけで生計を立てているわけではありません。彼らが犬を繁殖する理由は、その柴犬に心から惚れ込んでいるからです。売れ筋の犬を何種も繁殖するのではなく、一犬種に特化し、その犬質の向上を目指しています。

良いブリーダーの特徴

健康管理

良いブリーダーは、遺伝的疾患を避けるために常に勉強し、健康な子犬を育てるための交配を考えています。適切なエサ、運動、グルーミングを行い、犬の健康を最優先に考えています。

トレーニングとケア

展覧会やドッグショーに出すために、犬をトレーニングし、良質なエサやグルーミングに投資します。自宅の増改築や犬舎の建設など、適切な環境を整えるために努力しています。

専門性

単一犬種に特化し、その犬種の魅力を最大限に引き出す努力をしています。繁殖用の母犬(台雌)や父犬(種雄)には膨大な投資を行い、優れた血統を保つために遠方のブリーダーと協力することもあります。

パピーミルの問題点

コスト削減のための粗悪なケア

パピーミルでは、コストを極限まで削減するために、安価なエサや不適切な環境で犬を飼育します。質の低いドッグフードを与えられた犬は、栄養不足や消化器系の問題を抱えることが多く、成長不良や免疫力の低下を引き起こします。また、犬舎の衛生管理が行き届いておらず、糞尿が放置されたままの不衛生な環境で飼育されることが一般的です。このような環境では、犬たちは皮膚病や感染症にかかりやすくなります。

さらに、犬たちが狭いケージに長時間閉じ込められることで、運動不足による筋力低下やストレスが蓄積されます。これにより、精神的な健康も損なわれ、異常行動(例えば、自傷行為や無駄吠え)を示す犬も少なくありません。

遺伝的疾患のリスク

適切な交配を行わず、遺伝的な問題を抱えた犬同士を無計画に繁殖させるため、パピーミルで生まれる子犬は遺伝的疾患のリスクが高くなります。例えば、パテラ(膝蓋骨脱臼)、股関節形成不全や心臓病、眼疾患などの遺伝的な病気が多く見られます。また、近親交配が行われることもあり、これにより遺伝的多様性が欠如し、さらに病気に対する抵抗力が低下します。

遺伝的疾患を持つ犬は、生涯にわたって医療ケアが必要となるため、飼い主にとって大きな負担となります。特に、遺伝的な問題は治療が難しい場合が多く、犬の生活の質を著しく低下させることになります。

展覧会やドッグショーへの不参加

パピーミルの業者は、犬種のスタンダードを追求することなく、利益を優先します。そのため、展覧会やドッグショーに参加することはほとんどありません。展覧会やドッグショーは、犬種のスタンダードに基づいた評価が行われる場であり、ここでの評価はブリーダーの誇りと品質の証です。しかし、パピーミルの業者は、犬の質よりも数を重視し、短期間で多くの子犬を生産することに専念しています。

このような業者が展覧会やドッグショーに参加しない理由は明白です。質の低い犬を出展することで、その劣悪な繁殖方法や管理の実態が露見することを避けるためです。そのため、彼らは表舞台に立つことを避け、密かに活動を続けます。

不透明な血統書

パピーミルで発行される血統書は、その信頼性が低いことが多いです。血統書は、犬の家系図を示し、純血種であることを証明するものですが、パピーミルではこの血統書が偽造されることがあります。偽造された血統書をもとに販売される犬は、実際には純血種ではなく、異なる犬種が混じっている可能性があります。

ペットショップで血統書を見ただけでは、その犬が本当に純血種であるかを判断するのは困難です。また、ペットショップ自体がパピーミルと提携している場合もあり、消費者に対して正確な情報が提供されないことがあります。そのため、血統書の信頼性を確保するためには、信頼できる育て手やブリーダーから直接犬を購入することが重要です。

良いブリーダーの繁殖方法

優れた遺伝子を残すための努力

良いブリーダーは、繁殖用の母犬(台雌)と父犬(種雄)に多額の投資を行います。台雌の欠点を補うために、適切な種雄を選別することが非常に重要です。

本来のブリーダーは、その犬種のスタンダードを目指してブリーディングを行っています。犬種のスタンダードとは、その犬種に期待される理想的な特徴を指します。例えば、柴犬であれば、特定の体型、毛質、性格などが求められます。これを達成するために、ブリーダーは慎重に繁殖計画を立てます。

もし自分の所に優れた種雄がいない場合、その台雌に合った種雄を求めて他の信頼できるブリーダーを訪ねます。近郊のブリーダーの所に行き、台雌に合う種雄で交配してもらうのです。このプロセスは時間と労力を要しますが、優れた遺伝子を次世代に残すためには不可欠です。

適した種雄が近くにいない場合は、何百キロも離れた場所に車で移動したり、飛行機を使って交配を行うこともあります。このため、交配にかかる費用は10万円を超えることも珍しくありません。また、優れた種雄を手に入れるために、数十万から数百万円をかけて購入することもあります。これにより、ブリーダーは優れた血統を維持し、高品質な子犬を作り出すことができます。

犬の健康と品質の重視

良いブリーダーは、犬の健康と品質を最優先に考えています。これには、適切な栄養管理、健康診断、ワクチン接種、日常的な運動とグルーミングが含まれます。例えば、繁殖用の台雌には、高品質のドッグフードを与え、栄養バランスの取れた食事を提供します。これにより、母犬の健康を保ち、健康な子犬を生むことができるのです。

また、ブリーダーは犬の社会化にも力を入れています。子犬が健全に成長し、将来的に良い家庭犬になるためには、早期の社会化が重要です。ブリーダーは、子犬がさまざまな人々や環境に慣れるように工夫し、適切なトレーニングを行います。

信頼できるブリーダーの活動とその重要性

展覧会やドッグショーへの積極的な参加

良いブリーダーは、各地域で行われる展覧会やドッグショーに積極的に参加しています。これらのイベントは、日本犬標準に基づき、柴犬のスタンダードに沿った理想的な柴犬を育てるための重要な機会です。春季と秋季に各都道府県で開催される展覧会などに毎週のように参加し、他のブリーダーと競い合うことで、より優れた子孫を作り出す努力を続けています。

経済的な投資の必要性

展覧会やドッグショーへの参加には、交通費、宿泊費、エントリー費用、犬のケアに必要な費用など、多くの費用がかかります。しかし、良いブリーダーはこれらの投資を惜しまず、質の高い柴犬を育てるために必要な支出と考えています。これにより、健康でスタンダードに沿った柴犬を育てることが可能となります。

営利目的の繁殖業者との対比

一方、営利目的のみで繁殖している業者は、展覧会やドッグショーに参加することはほとんどありません。これらの業者は、短期間で多くの子犬を生産し、販売することを最優先に考えているため、犬の質や健康には関心を持たず、コストを最低限に抑えることに注力します。結果として、こうした業者の犬は、健康問題や遺伝的疾患を抱えるリスクが高くなります。

信頼できるブリーダーと豆柴の現実

豆柴の現実

良質なブリーダーは、豆柴を作出することは決してありません。豆柴は、メディアや雑誌で取り上げられた結果、一般の愛犬家が実在する犬種と誤解して探し求めることから人気が高まりました。この人気に乗じて高額で販売できるため、販売目的のブリーダーは豆柴を作りたがります。

販売目的のブリーダーの手法

販売目的のブリーダーは、展覧会やドッグショーに参加せず、犬種のスタンダードを学ぶこともありません。そのため、繁殖に適さない欠点の多い柴犬でも、小さいという理由だけで繁殖に使います。このような乱交配により、病気がちで健康問題の多い犬が生まれるリスクが高まります。

小ぶりな犬の扱いと価格設定

良質なブリーダーは、小ぶりの雌を繁殖用に使うことはありません。小ぶりであることをメリットとして高額で販売する業者は、商売目的で繁殖を行っている証拠です。信頼できるブリーダーは、体高不足の子犬を通常よりも安い価格で提供し、スタンダードを追求していることを示します。

複数犬種を扱う業者のリスク

販売目的の繁殖業者は、儲けるために複数の人気犬種を扱うことが多いです。これにより、犬種の品質や健康が犠牲にされることがあります。消費者は、こうした業者から犬を購入することで、遺伝的な問題や健康リスクを抱える可能性が高くなります。

豆柴の健康リスクと繁殖の実態

豆柴は遺伝的な問題を抱えやすく、健康に問題があることが多いです。近親交配や無理な繁殖により、犬の生活の質が低下することがあります。良質なブリーダーは、健康で長生きする柴犬を育てることを目指し、慎重な繁殖計画を立てています。これにより、消費者は健康で幸せな柴犬を迎えることができます。

信頼できるブリーダーが子犬の価格表示をしない理由

健康確認のための評価ポイント

良いブリーダーは、生後30日未満の子犬の価格を表示しません。これは、子犬の健康状態や身体的な問題がまだ完全には確認できないためです。子犬が歩き始めるまで、視力や股関節の異常がないかを確かめることが重要です。

良いブリーダーは、子犬の健康を評価するために以下のポイントをチェックします。

  • 視力の確認:子犬の視力に問題がないかを確認。
  • 股関節の検査:股関節形成不全などの異常をチェック。
  • 全体的な健康状態:耳、目、口吻、頭、顎、前肢、後肢、胸部、背腰部、尾、被毛などの評価。

価格表示の適切なタイミング

健康状態の確認と評価が終わってから、初めて子犬の価格が決定されます。これは、子犬の健康と将来の幸福を最優先に考えるためです。

早期の価格提示に対する警戒

目も開いていない子犬に対して価格を提示するブリーダーは、健康チェックを無視している可能性があります。このようなブリーダーからの購入は避けるべきです。

良いブリーダーの重要なポイント

信頼できるブリーダーは、子犬の健康と幸福を最優先に考え、十分な健康チェックを行った後で価格を決定します。これにより、飼い主は健康で幸せな子犬を迎えることができます。健康状態を無視して価格を提示するブリーダーは信頼性に欠けるため、選択肢から外すことが重要です。

柴犬専門ブリーダーとは?

柴犬専門ブリーダーとは、一体どのような人たちを指すのでしょうか?本来、柴犬が大好きで、日本犬標準(スタンダード)にこだわり、できるだけ標準に近い柴犬を作り出すことに日々努力しているブリーダーのことを指します。これらのブリーダーは、展覧会やドッグショーなどで実際に犬を見て研究を重ね、優れた柴犬を育てることを目指しています。

犬種の標準の重要性

犬種の標準とは、その犬種に期待される理想的な特徴を指します。これは種の保存という観点から非常に重要であり、この標準に基づいて繁殖を行うブリーダーを良いブリーダーと言います。

営利目的の繁殖業者との違い

一方で、日本犬標準を全く意識せず、営利だけを目的に繁殖を行う業者も多く存在します。これらの業者は、犬の健康や質よりも利益を優先し、結果として健康上の問題を抱える犬が多く生まれます。

真の柴犬専門ブリーダーの見分け方

真の柴犬専門ブリーダーを見分けるポイントとしては、以下の点が挙げられます。

単犬種のみを展覧会目的で作出しているか

柴犬単犬種のみを扱い、その犬を展覧会やドッグショーで展示するために育てているブリーダー。

展覧会やドッグショーでの実績

複数の犬種を扱っている場合でも、柴犬の展覧会やドッグショーで顕著な成績を収めていること(日保本部賞や全国展入賞など)。

犬を購入する際の注意点

複数犬種を扱っており、展覧会やドッグショーに参加したことがないブリーダーは、専門性に欠ける可能性があります。標準からかけ離れた両親犬で繁殖を行っているブリーダーも注意が必要です。

犬を購入する際の注意点

犬を飼うということは、15年以上のサイクルになります。そのため、情報不足のまま、たまたま見に行ったペットショップで可愛いからという理由だけで購入するのは避けるべきです。実際、この仕事をする前に迎えた愛犬もそのような形で迎えましたが、後に先天性の疾患を持っていることが判明し、パピーミルの存在を知ることになりました。

パピーミルの問題点とその影響

パピーミルでは、犬の健康や遺伝的な問題を無視して繁殖を行います。その結果、病気や先天性疾患を持つ子犬が多く生まれます。このような問題を抱える子犬が増えることに加担しないためにも、どのような環境で生まれ育ったのかを確認せずに犬を購入することは避けるべきです。

真摯なブリーダーの重要性

パピーミルや営利目的の繁殖業者が廃業し、真摯に犬質の向上のために努力しているブリーダーのみが潤う社会を目指すことが重要です。これにより、健康で幸せな柴犬を育てることができる環境が整うでしょう。